真壁にするわけ
真壁にするわけ
真壁(しんかべ)とは何か。
よく和室に用いられる、柱を見せる壁のことです。
反対に、柱を隠してしまっている壁を「大壁(おおかべ)」といいます。
ほとんどの家の壁は、大壁ですね。
なぜか。
大壁の方が手間がかからないからでしょう、
柱の上から下地ボードを柱に打ち付ければいいので。
また、柱も見えなくなるので、竣工時には
どんなものが使われているかわかりません。
真壁はその逆で、柱と柱の間に下地を設けるので
少し手間がかかります。柱も化粧材を使います。
なぜ、わざわざこのように手間を増やすのか。
木は呼吸をしています。
大壁にして、柱を囲ってしまうと呼吸できなくなります。
万が一、結露してしまうと木は腐っていき、
しかも囲っているので腐っていっているのが分かりません。
シロアリに喰われても分かりません。
真壁にして柱を呼吸させると、構造上最も大事な部分の質の低下を防ぐだけでなく、
生活の中で室内に発生する湿気も吸って
また、乾燥時には水分を放出してくれるます。
先人たちは、そういった意味で真壁にしていたのです。